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四條畷市
T.Aさま

インタビュー1

教壇を降りたその後も、心の教師であり続けた父

お父様の教師としての人生を振り返って、どのような方だったか教えていただけますか?
はい、父は生涯を通じて熱心な教師でした。彼は30年以上にわたり、小学校の教壇に立ち、子供たちに知識と道徳を教え続けました。父は、教えることに情熱を持ち、一人ひとりの生徒に深い愛情を注いでいました。
父には多くのエピソードがありますが、一つ挙げるなら、父が教え子の一人を助けた話です。その子は家庭の事情で学習に遅れが出ていました。父はその子のために放課後に個別指導を行い、最終的にはその子がクラスで一番の成績を収めるまでに成長しました。その教え子は今でも父に感謝の気持ちを持ち続けており、父の葬儀にも駆けつけてくれました。
教職を引退された後のお父様の生活について教えていただけますか?
引退後、父は家庭菜園や読書など、趣味に時間を費やすようになりました。また、父は犬を飼い始めました。名前は「シロ」です。シロは父の晩年の生活において大切なパートナーとなりました。シロは父が毎日の日課にしていた朝の散歩に付き添っていました。父とシロが散歩をする姿は、近所の人たちにも親しまれていました。毎朝近くで行われているラジオ体操にもふたりで参加していました。シロは近所のアイドルのようで、特におばあ様方からよく慕われていました。ある日、シロが散歩の途中逃げ出してしまったことがあったんですよ。家族総出で一晩中探し回り、翌日無事に見つけ出しました。その時の父の嬉しそうな顔は今でも忘れられません。その時思いました。「やっぱり白は家族の一員なんだなーっ」と。
お父様の逝去後、シロはどのように過ごしていますか?
父が亡くなってから、シロは少し元気がありませんでした。毎朝散歩に行く相棒を失って、家でずっと縁側に座って庭を見ていましたね。ご飯もろくに食べてくれずにとても寂しそうでした。
葬儀は兄が中心になって準備を進めてくれてたんですが、兄がペットも一緒にお別れができる葬儀場を予約してくれて、お通夜の日にシロを連れて行ったんです。真っ先に柩の中にいる父に駆け寄っていきましたよ。シロは父のそばからなかなか離れませんでしたよ。
今はペットもお別れできる葬儀場なんてあるんですね。シロは父のこと大好きだったので、最期に父に会わせてあげられて良かったです。
父の相棒だったシロは家族全員にとっても大切な存在ですから、これからも大切にしていきたいと思います。
最後に、お父様から受け継いだ教えや思い出について教えていただけますか?
父からは「人を思いやる心」の大切さを教わりました。彼は常に他人を助けることを第一に考え、生徒や家族に対して深い愛情を持って接していました。私たち家族もその精神を受け継ぎ、これからも大切にしていきたいと思います。父が私たちに遺してくれたものは、物質的なものだけでなく、心の財産です。
本日は貴重なお話をありがとうございました。お父様のご冥福をお祈りいたします。